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そんな俺に差し伸べされたのは、小さな手。
『虎狼ちゃん』
笑って差し出されるその暖かい手は、俺を暗闇から救い出してくれた。
『一緒に帰ろうよ』
『月華…ちゃん』
同じ組で
いつも優しい月華ちゃんは、笑って言った。
教室の片隅で顔を伏せて座り込む俺の手をギュッと握る。
『今日から、晩ご飯月華のお家で一緒に食べよう。パパとママとお兄ちゃんと虎狼ちゃんとで。』
照れくさそうに彼女は笑う。
『一緒に帰ろうね』
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