暖かい手

4/7
前へ
/492ページ
次へ
そんな俺に差し伸べされたのは、小さな手。 『虎狼ちゃん』 笑って差し出されるその暖かい手は、俺を暗闇から救い出してくれた。 『一緒に帰ろうよ』 『月華…ちゃん』 同じ組で いつも優しい月華ちゃんは、笑って言った。 教室の片隅で顔を伏せて座り込む俺の手をギュッと握る。 『今日から、晩ご飯月華のお家で一緒に食べよう。パパとママとお兄ちゃんと虎狼ちゃんとで。』 照れくさそうに彼女は笑う。 『一緒に帰ろうね』
/492ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2492人が本棚に入れています
本棚に追加