桜散る前に

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7月○日 こんにちは僕は保健教員をしています ガラガラ 「唯一先生~」 「また来たんですか?」 最近よくココヘ来る生徒が居ます 「またって…俺は先生に会いたくて来てるの!」 「僕は男ですよ」 「ハハハ変な事言ってる俺は"上条唯一"に会いに来てるのに…」 彼は大野大河3年A組の生徒で僕の事が好きらしい 「呼び捨てしないでくださいよ…それに大河君は僕に会いに来る前に授業に出て下さいよ」 「ちぇ~今日もそれかよ!こ~さぁ~『本当に僕の為に?……嬉しいです』とか頬真っ赤にして言ってくれないの~?」 「言いませんよ」 「クスクスそれはそれで唯一先生らしいけど」 「大河君も相変わらずですね」 「先生が俺にベタボレするまで通い続けるよ!」 ズキン 彼はきっと間違ってる 僕じゃダメなんだよ大河君? 君の言う『好き』はあまりに軽すぎる 信じられない訳じゃないけど疑ってしまう 彼がココに来る度胸が締め付けられる
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