記念日

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楽しい時間は経つのが早いと言うが本当に早かった。 「純くん?」 薫が首を傾げて俺に聞いてくる。 「あぁ、悪い。…ボーっとしてた。」 あれから電車に乗り…長かったけど、短く感じた電車の旅だった。 「…もう。じゃあ湖に行こ。」 薫の若干呆れの入った「…もう」を言いながらも、湖に行こうと手を引っ張る。 ちなみに……ここからは俺は全く道を知らない。知っているのは薫だけだ。 「ちょっと待てって。」 俺はそう言って手を、俗に言う恋人繋ぎなるものをする。要するに、手を絡ませて繋ぐ。 「…………。」 薫が黙る。……怒ったのか?俺にしては大胆すぎぎたな。 そっと顔を覗き見てみる。
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