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桜が咲く季節になったころ。俺と彼女は桜道を歩く。
「ねぇ純くん…今度私たちの一年目の記念日だね。」
彼女は少し照れながら顔をほのかに赤くして俺に話しかけてくる。
「そうだな……。」
「ねぇ、なんでそんなにそっけないの?一年目の記念日だよ?」
少しムッとした表情で彼女は俺に言ってくる。
「いや、なんか実感ないなって思ってな、まさか付き合えると思ってなかったからな……。」
「私と付き合うのいやだったの?」
「いや、待てよ。そんなことねえよ。むしろ何ていうか……う、嬉しかったよ…。」
俺は最後の方は恥ずかしくてボソボソと言っていまう。顔は勿論彼女とは違う方に向けている。
ちらっと彼女の方を見ると満面に笑みを浮かべている。一瞬ドキッとした。
「でね、せっかくの記念日なんだからね…朝から遊ぶとか旅行とか……いろいろ考えようよ。」
そう言った後も彼女はズバズバと記念日予定案を出して来た。
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