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「俺くらい人間に近くなると合理性もクソもないんすよ」
「しかし最新式のロボットが旧式人形に恋とは……本当にわけのわからん時代になったもんだな、年の差いくつだっての……」
「自分も同類なのに何言ってるんすか……」
ウェイトレスが注文を取ろうとやってくるが彼らにとってはどうでも良いことなのだ。
命ある者がいない店内に響くのは乾いた笑い声のみ。
「ご注文はお決まりでしょうか?……ごゆっくりどうぞ!」
二人の前におかれたのは底の抜けたコップの残骸。ふと外を見ると砂が激しく窓ガラスに叩きつけられているらしい。
「また砂嵐か……まあいいか」
「荒野のど真ん中っすからしゃあないっすよ」
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