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今なら理解できる気持ちでも、当時はわかるはずもなくそれが恋だということもわからなかった。
気持ちを伝えることもなく、ボクは中学にあがった。
あるとき、初恋の子が転校することを知った。
いつも一緒に居て、あそんで喧嘩もして…沢山の思い出が溢れた。
引っ越しの日、ボクは行かないと決めていたのだが気になりいくことにした。
初恋の子は荷物を整理して車に荷物を運んでいた。
ボクは遠巻きにその姿を見ていたのを覚えている。
初恋の子はボクに気がつき小さく折った折り紙をくれた。
初恋の子は
「帰ったら読んでね」
そう言って、また荷物をまとめだした。
ボクは頷き、荷物を運ぶ手伝いをしたんだ。
荷物は片付き別れの時がきた…
ボクは
「元気でね。たまには連絡してこいよ?」
それだけを告げて初恋の子とその家族を見送った
姿が見えなくなってボクは誰もいなくなった部屋をただ見つめていた。
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