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惣一郎は、2階に上がった。おもむろに、天井から梯子を下ろした。
梯子を登り、蓋を開けた。
屋根の上には、既に友造が待って居た。
『惣、カゴは準備出来てるぞ。綾香はまだか?』
気球のカゴような物があった。
それにはヨットのような帆がついていた。
『ねぇちゃんならもうすぐ…』
『今登ってるから!早くカゴ入ってて!』
綾香は慌てながら言った。
友造と惣一郎はカゴに乗り込んだ。
すると、カゴが少し浮き上がり、帆が張り前に動き出した。
綾香も乗り込んだ。
『急いで!急いで!』
と言うと、綾香はカゴの中にしゃがみ込んだ。
カゴは急上昇し、あっと言う間に雲の上に。
その後、猛スピードで進み急降下した。
そこは、学校の屋上だった。
『おじいちゃん、ありがと!惣、急いで!』
と言って綾香と惣一郎はカゴを降りた。
友造は、母:美和子と違い念動力は使えない。
友造が使うのは【風】だった。
上昇気流を起こし、カゴを雲の上まで持ち上げる。
帆に強風を叩き付け前進。
目的の上空に来たら下からの風を止めれば、当然急降下する。
着陸の瞬間、風で1クッション置いて着陸した。
屋根に既に居たのは、自分の身体を風で浮遊させ、庭から飛んで居ただけだ。
当然、それでも2人を送れたが綾香がそれを嫌がるのだ。
髪型や服が崩れると言う理由だった。
綾香がカゴにしゃがみ込んだのはその為であり、カゴは綾香送迎用だった。
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