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天国のほんの少し手前に「虹の橋」と呼ばれるところがあります。
愛し合っていた誰かを残して死んだ動物の魂は「虹の橋」へ向かうのです。
そこには草原や丘があり、彼らは皆で走り回り遊ぶのです。
たっぷりの水と食べ物、そして太陽の光に恵まれて彼らは暖く快適に過ごすのです。
病を患っていた者も年老いていた者もみんな元気を取り戻し、不自由なからだになっていた者も本来のからだを取り戻すのです。
まるで過去りし夢の如く彼らは幸せに満ちています。
しかし、ひとつだけ不満に想うことがあります。
それは自分にとっての特別なあなたを地上に残し、いま自分の側にいないことなのです。
ある日いつものようにみんなと遊んでいたのですが、その中の一匹が遠くの一点を見つめて立ち止まるのです。
その瞳はキラキラと輝き、からだは喜んびで小刻みに震え始めるのです。
突然、彼は緑の草波を走り始めます。
速く、それは速く飛ぶように。
あなたが橋までやってきたのを見つけたのです。
あなたとあなたの愛しき者は再会の喜びに固く抱き合います。
そしてあなたの顔には幸福なキスが降り注ぎ、あなたの両手は愛しき者のからだを優しく愛撫します。そしてあなたは信頼にあふれる愛しき者の瞳をもう一度覗き込むのです。
あなたの人生から長い間失われていたが、一日足りとも消えた事のかなったその瞳を。
それから貴方たちは一緒に「虹の橋」を越えて行くのです。
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