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「…大人しく寝てろ。」
「はぁい…。」
今すぐにでも寝れる。
眠気がやばい。
「ほら布団。」
「ありがと、青龍…。」
布団に倒れ込むと同時に夢の世界へと流されていった。
「……すぅ…。」
「完全な無防備だな…。」
枕元に胡座をかいて座る。
と同時に懐に潜ませているクナイを確認する。
「…何もなければいいがな…。」
――――
「長、お二人が例の病に―…。」
「そうか…。」
報告を聞きながら扇子を開き、パタパタと扇ぐ。
「実際どうなんですか?長?病気の正体…長ならわかってるんでしょ?」
壁により掛かりながら白虎が尋ねてくる。
「……あの二人の病は…二人の力が目覚め、使用した時の副作用になるものだろう。…今のうちにそれに耐えれる体を作ってるって感じだな。」
俺たち神園家の女は…十六歳になると特別な力を授かるという。
美音と愛ももうすぐ十六歳になる。
おそらくは……。
現におふくろも持っていたから、遺伝的なものなのだろう。
「力…一体何の?」
「わからん…だが…。」
立ち上がり障子を開けた。
「これから忙しくなる…色々とな。…覚悟しとけよてめぇら。」
「「はっ!」」
「いい返事だ。」
夜中に見た月は…どこか笑っているように見えた。
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