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いつもは泣きそうになりながら拒むから、そこで引いてやっていた。でも、今日は違う。どんなに拒んでも止めるつもりは無い。何故なら、真継はいつも「駄目だ」とは言っても、「嫌だ」とは言わない。つまり、俺から気持ちが離れた訳ではないのは確かだから。まずは「駄目」の理由を白状させてやろう。
「どうして俺を拒む?嫌いになったか?」
「ち、違うっ……そんなことはありません」
それは知ってる。はっきりと否定する真継に優越を感じた。いきなり核心の答えは言わないだろうから、徐々に口を割らせる為の作戦だ。
「それなら何が駄目なんだ。理由によっちゃ止めてやってもいいぜ」
そんなつもりはねぇけどな。
しかし、そう言うと真継の瞳が思案に揺れる。いったいどんな理由だと言うのだろう。万が一にも俺を納得させられる理由だったならばーーー。まぁ、それはそれでその時考えるか。
「………私は…もう…」
伏して視線をそらすその姿に色気を感じる。本人は意図して無いのだろうが、まるで焦らされているようだ。
「言えよ」
着物の下に滑り込ませた手で、胸元をゆっくりと撫でる。まだ柔らかいであろう二つの粒には触れてやらず、その周りを擽ぐるように手を這わせた。暑さに汗ばんだ肌がしっとりとしていてよく手に馴染む。早くこの肌に口付けたい。舐めて、噛み付いて、熱く熟れたところで喰らい付きたい。触れれば触れるだけ、欲望が増して行く。
「真継」
「あ、あっ…いや……やはり…い、言えませんっ…私…そ、そんなことっ…」
「強情だな。それは俺に無理やり言わされたいってことか?」
「そんな…違いますっ…違うけれど…」
「いいぜ。それじゃあ望み通り、言いたくなるようにしてやるよ」
理由は聞き出してやりたい。が、確かに簡単に聞き出すより、少しくらいこちらも楽しませてもらってもいいかもしれない。今まで散々焦らされたのだ。今度はこっちの番だ。泣いて真継の方から「言わせてくれ」と言うまで、たっぷり虐めてやろうじゃねぇか。
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