後日譚 其の参 『対極』

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「泣くほどイイか?」 ぷっくりと赤く腫れた胸の粒を、今度は掠る程度に触れながら顔を覗くと、真継は無言で首を振った。しかし、両足をもぞもぞと動かしながら、中心で主張し始めた真継の昂りを見れば、感じているのは一目瞭然だ。そこは、初めて触れた時より随分と大人になっていて、先端から蜜を溢れさせる様子は、何とも言えず卑猥だった。 「もっと啼けよ真継。俺に全部見せろ」 ガキと呼ぶには随分と大人になった真継。だが、人外の俺から言わせれば、今でも十分ガキだ。あの頃と変わらない。変わらず泣き顔にそそられる。泣いて嫌がるくせに、その抵抗が本気じゃないのは、やはりあの頃と同じだ。 俺は身を屈め、胸の上で赤く熟れたしこりを口に含んだ。同時に下肢で戦慄く真継の熱に手を伸ばし、ゆるゆると緩急をつけながら上下に扱く。強張った身体は次第に解けていった。 「あぁッ…ふぅっ……ん、ンッ…あッ」 戒めた両手が俺の髪を掻き混ぜる。時々俺を押し退けようと手に力を込めるが、そんな抵抗も少し強い刺激を与えてやるだけで直ぐ諦めたように引いて行く。口から漏れる声は既に甘く、あの頃のように高くない掠れた声が、俺の欲望をどこまでも煽ってくる。 「ひ、ぁッ…ら、藍堂っ……らんっんぅ…も、もう…い、言わせて下さいっ……あぁっ!」 「達かせて下さい?随分とやらしいお願いだな」 「ちがっ…あ、あぅっンッ…い、いわせて…いや…やァッ…」 歯で粒を噛んで、舌先で押し潰すように舐め回す。片方しか弄ってやっていないのに、もう片方も触って欲しそうに硬く膨らんでいるから、爪の先で引っ掻いてやる。そうすると反射的に腰が跳ねて、無意識のうちに俺の手に昂りを擦り付ける事になっているなど、真継は気付いてもいないだろう。 先端からは半透明な蜜がしとどに溢れて、俺の手と真継の腰の動きに合わせてぐちゅぐちゅと淫らな音を立てている。その様子からも、既に限界が近いのが分かる。 「どうやら達くのが先だな」 耳元でそう囁けば、真継の目が大きく開いて俺を見た。その目が濡れていて、真継自身も欲情しているのだと物語っている。自分がそんな顔をしているなど、本人は思ってもいないだろう。
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