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都随一の陰陽師で、その力はこの国の頂点に立つ者さえも一目置く。素直で純粋だったガキは、真面目で実直な男に成長していた。ともすれば禁欲的にも見えるこの男が、俺の下で、俺の手で淫らに喘いでいる。本人どころか、誰もが真継のこんな表情は想像も出来ないだろう。
ーーーまぁ、想像する奴がいたら俺が始末するけどな。
何故駄目なのか、そろそろ聞いてやるとするか。
先端から溢れる先走りを竿に塗り込むように扱く。熱のこもった甘い声は、俺の口で塞いで奪った。逃げる舌を無理やり絡め、上手く呼吸が出来ずもがくのを無視して貪った。
「んんッ…ん、うぅッ…!」
小さな犬のように高い音で喉を鳴らす真継。もう少しーーーそう見計らって上下する手を早める。真継の身体が強張り、瞳を大きく見開いて、俺の着物を掴む指先が白くなった。
「………ふ、ぅっ…ん、ぅんんンッ!!」
くぐもった声が鼻から漏れる。びくびくと魚の様に身体を震わせて、俺の手の中で真継が果てた。唇を解放してやると、溢れた唾液がぽたぽたと床に落ちた。胸が大きく膨らんで、足りない酸素を吸い込んでいる。強張っていた身体が弛緩し、ぐったりと床に投げ出された。
「真継」
呼んでも力なく首を振るだけ。
少し虐め過ぎたか。
こんなもん、まだ序の口だがな。
「言いたくなっただろ?」
そう言ってやれば、ゆっくり持ち上がった瞼の下、黒く濡れそぼった瞳が説得力無く俺を睨んだ。殆ど緩んでしまった帯で一括りにされた両手で、はだけた着物を手繰り寄せる仕草が慎ましい。
「……あ、貴方は本当に意地悪です!あの頃と…変わってない」
「お前だって変わってないだろ?相変わらずの泣き虫だ。それに、口では嫌がっても本気で抵抗しないところとか」
「そんなことっ……」
言いかけてやめてしまった。さすがに拗ねてしまったのかと思ったが、真継の顔を見れば、どうやら少し違うようだった。少し前にちらりと見せた、少し切なそうな表情。もしかして、駄目な理由を言いたがらないのと関係があるのだろうか。
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