第1章 「出会い」

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「何か用?」 「先生の話聞いてなかったの?隣の席の人と進路について話し合えって言ってたじゃん。」 「進路?卒業後の?」 「そう進路!トシ君何かあるの?」 「そりゃ大学行くよ。」 「どこの?」 「どっか行けるところ・・・」 「はぁ!何それ?」 「うるさいなぁ・・・放っとけよ。」 「だって、どっか行けそうな大学行くだなんて・・・何の為に?」 「そりゃ・・・10代で働きたくないから。大学行けばとりあえず22までは、遊べるじゃん。しかも幸いな事にこの町には大学がない。必然的に1人暮らし出来る。」 「呆れた。いい!今は不況なの!!学歴社会なの!!!それプラス即戦力となりうるような人材しか企業は採用しないの!!!!そんな何の目的もなく大学なんて行っても無駄!!!!!」 「そんな力説しなくても・・・何とかなるよ。 で、オレはともかくアヤメはどうなんだよ?」 この質問がまずかった。 アヤメは、よくぞ聞いてくれましたとばかりに胸をはり、、、 「私は逢坂大学の法学部に行くわ!!」 逢坂大学・・・当時は東都大学、西京大学と並んで有名な大学だった・・・ そして、オレ達が通っているのは商業高校 普通科 文1コース・・・ いくら秀才とはいえ、それは飽く迄、商業高校レベル・・・ そんな奴が、天下に名を響かせる逢坂大学になんか行けるわけがない。 何より過去にそんな実績があったなんて聞いた事もない。
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