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「何か用?」
「先生の話聞いてなかったの?隣の席の人と進路について話し合えって言ってたじゃん。」
「進路?卒業後の?」
「そう進路!トシ君何かあるの?」
「そりゃ大学行くよ。」
「どこの?」
「どっか行けるところ・・・」
「はぁ!何それ?」
「うるさいなぁ・・・放っとけよ。」
「だって、どっか行けそうな大学行くだなんて・・・何の為に?」
「そりゃ・・・10代で働きたくないから。大学行けばとりあえず22までは、遊べるじゃん。しかも幸いな事にこの町には大学がない。必然的に1人暮らし出来る。」
「呆れた。いい!今は不況なの!!学歴社会なの!!!それプラス即戦力となりうるような人材しか企業は採用しないの!!!!そんな何の目的もなく大学なんて行っても無駄!!!!!」
「そんな力説しなくても・・・何とかなるよ。 で、オレはともかくアヤメはどうなんだよ?」
この質問がまずかった。
アヤメは、よくぞ聞いてくれましたとばかりに胸をはり、、、
「私は逢坂大学の法学部に行くわ!!」
逢坂大学・・・当時は東都大学、西京大学と並んで有名な大学だった・・・
そして、オレ達が通っているのは商業高校 普通科 文1コース・・・
いくら秀才とはいえ、それは飽く迄、商業高校レベル・・・
そんな奴が、天下に名を響かせる逢坂大学になんか行けるわけがない。
何より過去にそんな実績があったなんて聞いた事もない。
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