第2章 「マンツーマン」

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放課後。 場所は図書室。 「さて、英語なんだけど・・・ここの構文がちょっと・・・」 「・・・」 「ちょっと聞いてる?」 「世界には様々な人がいて、様々な生活様式で生活している。故に、その生活様式が自分達の理解の範疇を超えるものだからと言って偏見を持って差別するのは愚かな行為である。」 「ハッ?」 「だから、その文の和訳。問題は和訳しろだろ?」 「イヤイヤ。そうじゃなくて、この構文の訳し方を聞きたいの。そんな答えだけ聞いても理屈が分からないと・・・」 「知らん。」 「ハァッ!?」 「だから知らん。」 「何で分からないの?訳せるって事は分かってるって事でしょ!?もったいぶらないで教えなさいよ!」 「アヤメ・・・ちょっとこの文読んでみろ!」 オレはおもむろに、教科書の練習問題の問題文を指さした。 もちろん問題文は日本語である。
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