―ハンカチ―

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…このハンカチどうしよう? 鼻の赤みはもうひいて、天使のような人から借りたハンカチを見ながら、はぁ…とため息をつく。 氷羽「何にも聞かないでハンカチを借りて来ちゃった…。せめて名前だけでも聞けば良かったよぉ。…天使さんにまた会えるかなぁ…?」 柚「なぁ~にボソボソ言っちゃってんのっ!!」 氷羽「わぁっ?!び…びっくりしたぁ…。柚おはよ!」 柚は新学期に隣の席になって、最初に出来たお友達。今は親友…かな? 柚「おはよ!…さて、朝からでっかいため息なんかついてどうしちゃったん?」 氷羽「えっと…柚は、天使とかって信じる?」 柚「はっ!?まぁたメルヘンな事言っちゃって。天使なんて見える訳ないじゃん~」 氷羽「…」 私は今日あった出来事を全部話した。朝から今までの事…。 柚「え~!氷羽のパパ、再婚しちゃうの~?!」 氷羽「ちょっと!しぃ~っ!声おっきいよっ!」 ごめん、ごめんと謝る親友を見ながら再婚の事はどうでも良くって!と話しを続ける。 氷羽「今日会った天使さんにハンカチ返したいんだけど、何も聞いてなくて…」 柚「何も聞いてないんじゃ会って渡すの無理なんじゃない??今日会った道は毎日通る訳じゃないし。天使さんのハンカチ貰っちゃえ!」 氷羽「えっ?!借りたものは貰っちゃダメだよ!…ちゃんと返さなきゃ!」 本当に天使だったらこのハンカチはレア物だね!あははっと笑う親友をみて脱力。…柚に話した私が悪かったな…と、ふとハンカチを見てみると、何かのマークが付いている。 氷羽「…?柚、何かマークが付いてるよ。蝶々かな??下に何か書かれてる…」 柚「本当だ。ん~と…こ、く?ちょう……黒蝶っ!?」 氷羽「え?黒蝶ってなぁに?」 柚は綺麗にリップを塗っている口をぱくぱくとさせている。 柚「黒蝶学園って超ー!金持ちの超ー!頭いい超ーかっこいいイケメン達が通うすんごい学校だよ!!まさに女のコの夢の楽園!!」 氷羽「柚…興奮しすぎだから…。しかも早口でわかんない…。」 確かにハンカチには蝶々のマークがあって、マークのすぐ下には"Kokucyo"って刺繍がされてある。でも黒蝶学園なんて聞いた事ない。 氷羽「ねぇ?…黒蝶学園ってどこにあるの?」
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