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来た…
ゴンドラがゆっくりとこっちに流れてくる
「どうぞ、こちらです
足元にお気をつけて乗って下さい」
係員がそう言ってゴンドラのドアを開ける
レイが先に乗る、私もそれに続いて乗ろうとするのだけれど…
タイミングが分からないのだ
エスカレーターみたいな、この感覚は未だに慣れない
自分で乗りたいと言っておいてなんだけど…
「のえる?」
レイがなかなか乗れないでいる私を見て声をかける
「お、お客様
早くお乗りになりませんとゴンドラが…」
係員が慌てるように言う
そんな事言われても…
急がされると焦ってしまう
「のえる、もっとこっちに近づけ!」
ゴンドラからレイが私に手を差し出す
私も手を出してゴンドラに寄った時、
ギュッ
私はてっきり、手を掴むのだと思っていた…
レイは、私の手ではなく背中に手を回し片腕で抱き上げてゴンドラに引き寄せた。
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