21人が本棚に入れています
本棚に追加
墓標のようにそびえ立つ高層ビルから降り注ぐ雪を見て願う。
救いも一緒に降ってくれば良いのに……と。
会社に就職してからはとにかく働き続けた。
月日の移り変わりは曖昧になり、
自分が今、何故なんのために働いているのかもわからないままひたすら働き、
気付けば三年が過ぎていた。
東京に来れば何か変わると思っていた。
まるで通り雨のように救いが降ってくると。
でも実際には救いなんてどこにもなく、
あるのは人々の喧騒と路上に捨てられたゴミだけだった。
そんな絶望にまみれた生活も、
暦が進めば次第になれ、
自分がその中にいる事に違和感を覚えなくなった。
納得できなくても生きることができると知った。
それでも世界は回り続ける。
大きな絶望を連れて……
最初のコメントを投稿しよう!