君が好きな世界

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「ほらアスタ、いつまでもゴロゴロしてないで早く準備するのー!」 トイレに行くと言って僕の横から抜け出したよつばは、戻ってくるなり僕の布団をひっぺがした。 「あー、さみぃよ。」 布団を取り返そうともじもじ頑張る僕に、枕まで奪って追い討ちをかける。 「今日で今年最後なんだよー?さっさと起きて山登るのー!」 二人で初詣に行くのはずっと前からの約束だ。 よつばが言う山ってのはこの町の外れにあるあの山のことで、ちょっと登ったとこに大いなる山の神様が祭ってあるっていう由緒正しい神社があるんだ。 「や、まだ昼前だし。山登んの夜だろ。」 とりあえず、奪った布団を羽織ってブーブー言ってるよつばの足を寝転がったままぎゅーてしてみた。 それだけでよつばが笑顔になるのは立証済みだ。 「アスタぁ。」 よつばの冷え症な足はやっぱりもう冷たかった。
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