63人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
ルナはヴァイオリンケースと楽譜の入ったカバンを持って夜の道を歩いていた
「はー疲れた、コンクール近いからってこんなに厳しくしなくてもいいじゃん、先生のバカ!もーくたくただよー、」
家からヴァイオリンスクールまでは遠い、馬車で10分それをルナはお金がないので1時間かけて歩いて通っている。
なぜ止めなかったか・・・それは単にヴァイオリンが好きだから。
だから、わざわざ遠くまで行って習っている
「うーんやっぱり簡単なガヴォットかな?でも、カノンもいいし、うーん」
選曲しながら歩いていると家に着いた鍵を開けようとポケットに手を入れたら、後ろに車が一台止まる音がした、ルナが振り返るとそこには一台の高級馬車が止まっていた、そこから黒い服を着た人がルナに近づいた
「ルナ・ハートミット嬢ですね?」
「何ですか?見たところ王宮の使いだと思うけど、」
「そうです、これをルナ嬢に」
手紙を一通渡した
「来週の日曜日に我が国の皇太子殿下の花嫁を決めるためにお城に来てください、これは国王陛下からの直接命令です、では来週の日曜日にお迎えにあがりますので、それまでにご用意を済まして置いてください、それでは」
「ちょっと待って!!」
「なんでございましょうか?」
「それって私が花嫁候補に選ばれたって事?」
「さようでございますが・・・」
「何で庶民の私が!?」
「それは私にもわかりません、直接国王陛下にお尋ねしてみてはいかがですか?」
「そんなぁー」
「ではこれにて」
「あ、ちょっと、まちなさいよ!!こらー!!」
王宮の使いはさっさと馬車に乗り込み帰って行った、
「どーしよー、これ、招待状だと思うけど」
ルナは手紙を持って家に入った、ルナは一人暮らしでお店を経営して暮らしている、手芸屋だ、ビーズや糸、針、毛糸、鈎針など手芸に関するものは大体は売っている、手芸屋はここらへんはこのお店しかないので、大分繁盛している
「うーん、空けてみたけど、どっからどうみても招待状だわ」
その頃王宮の使いは車の中で一人微笑んで呟いた
「私はあなたのような方が選ばれたらうれしいですが、毎日が楽しそうで、ルナ嬢」
車の中はその人1人だけ、呟きは夜の闇にまぎれた
それから一週間後の夕方、迎えが来る頃ルナは普段着でいた
最初のコメントを投稿しよう!