63人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
その人物は扉にもたれかかりずっと曲を聴いていた、そして曲が終わると話しかけて来た
「それは、パッヘルベルのカノンだな、」
「!?」
「どうした?」
「なんでいるのよ!!皇太子殿下」
そう、弾いてる時に入ってきたのは皇太子殿下だった
「前を通った時に聞こえてな、ノックはしたが、聴こえてなかったようだな、よほどヴァイオリンが好きと見える」
「それはどうも」
「そう、怒るなよ、お前みたいなヤツは初めてだ、よくあそこであれだけ言えたものだ」
「それはどうも」
「『それはどうも』しか言えないのか?」
「他に何を言えって言うのよ」
「皇太子殿下相手に敬語はなしか」
「!?」
「クスクス、別にいいさ、そっちのほうが気が楽だ、まだ18だしな」
「18!?」
「どうした」
「いや、同い年なのね」
「お前もか、えっと、ルナ・ハートミットだっけか」
「ええ、ケヴィン・レット・ヴェルガント様、何か御用でしょうか?」
「クスクス、嫌味か、いやそれでは失礼するよ、もうすぐ決まるから」
皇太子殿下は部屋を出て行った、暫くしてメイドが来た
「決まりましたので、お知らせします、ルナ様は・・・」
(どうせ落ちてるでしょう)
「選ばれましたので、暫くここで過ごしてもらいます」
「えーーーーーーーーーーー!!」
「そういうことです」
ミラが後ろから出てきた
「どういう事?あんな事しといて合格!?」
「はい、さ、これからはあんな事の無い様にビシビシいきますからね!!」
「そ、そんなぁー」
これからはルナの大変な日々が始まったのでした。
朝、ふかふかのベッドで熟睡していたルナはミラの声で起こされた、
「ルナ様!!いつまで寝ておられるのですか!!」
「んー?ここどこー??」
「寝ぼけてないで、しっかりおきてください!!」
(だれ?んーと、あ!!)
少し考えた末に、ここがお城であること、花嫁候補に選ばれたことなどを思い出した、
「夢じゃなかったのね」
「あたりまえです!!さ、今から湯に浸かりますよ!!」
「また!?昨日の夜入ったじゃん!!しかも昨日だけで2回も!!」
「ずべこべ言わない!!」
「はいぃぃ!!」
(朝から怖いなー)
また数人がかりで、カラダを洗われ、着飾られた
最初のコメントを投稿しよう!