プロローグ

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鈴の音が、聞こえたような気がした。 校庭で白球を追いかけていた時だった。 天から鈴の音が聞こえてきた。 涼やかで、優しい。それでいてどこか寂しさを含んだような音色だった。 気付けば俺の脚は止まっていた。 先輩や先生の叱咤が飛んできていたけれど、そんな事が全く気にならない位に美しい音色だった。 練習終りに部活動の友人に聞いてみたが、誰も聞かなかったという。 幻聴かな??とその時は首を傾げたが、次の日もその音は聞こえてきた。 そして、その日もその音は俺にしか聞こえず、俺は先生や先輩に叱られた。
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