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城の最奥、一人の子供が
怯えるように、かくれていた。
「怖いよぉ……お父さんお母さんどこぉ……」
子供は、ただ、泣くことしか出来なかった。
城の廊下をさっきの女性がゆっくりと、歩いていた。すると突然、城の騎士が飛び出て来た。
「侵入者め。覚悟しろ!
《無数の光の剣よ。我が思 いに答えよ!!》
【シャイニング・レイ】!!」
詠唱とともに、上空に構成された光の剣が遅いかかった。
「中級魔法か……さすが騎士だけはあるな。だけど」
光の剣をひらりとかわし、薄笑いを浮かべ言った。
「ここら辺、暑いものね。冷やしてあげる。
《精霊よ、我に絶対零度の力を……すべてを凍てつかせよ》
【アブソリュート・ゼロ】」
すると、騎士の足元は凍りはじめ、やがて全てが凍りついた。その寸前騎士は、最後の言葉を残した。
「まさか、上級魔法を使え……」
「ふふ、涼しくはなったか?」
†
そして、最奥の扉が開かれた。
「ひっく、だ、だれ?」
「この子か……可哀想に何もしらないのにな……すまんな、さようならだ」
女はどこからともなく剣をだし、しっかりと握りしめると表情を消し静かにふりかぶった。
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