プロローグ

3/3
8975人が本棚に入れています
本棚に追加
/266ページ
城の最奥、一人の子供が 怯えるように、かくれていた。 「怖いよぉ……お父さんお母さんどこぉ……」 子供は、ただ、泣くことしか出来なかった。 城の廊下をさっきの女性がゆっくりと、歩いていた。すると突然、城の騎士が飛び出て来た。 「侵入者め。覚悟しろ! 《無数の光の剣よ。我が思 いに答えよ!!》 【シャイニング・レイ】!!」 詠唱とともに、上空に構成された光の剣が遅いかかった。 「中級魔法か……さすが騎士だけはあるな。だけど」 光の剣をひらりとかわし、薄笑いを浮かべ言った。 「ここら辺、暑いものね。冷やしてあげる。 《精霊よ、我に絶対零度の力を……すべてを凍てつかせよ》 【アブソリュート・ゼロ】」 すると、騎士の足元は凍りはじめ、やがて全てが凍りついた。その寸前騎士は、最後の言葉を残した。 「まさか、上級魔法を使え……」 「ふふ、涼しくはなったか?」 † そして、最奥の扉が開かれた。 「ひっく、だ、だれ?」 「この子か……可哀想に何もしらないのにな……すまんな、さようならだ」 女はどこからともなく剣をだし、しっかりと握りしめると表情を消し静かにふりかぶった。
/266ページ

最初のコメントを投稿しよう!