始まりの鐘

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「ふー、気持ちよかった」 「あ、兄さん湯加減のほうはどうでしたか?」 「うん。良かったよ」 僕がお風呂場から出てきた頃には、ミレナはベッドの中に入っていて、本を読んでいた。 「ミレナ、何読んでるの?」 少し興味があったので、ミレナが読んでいる本を指差し聞いてみる。 「え? ああ、これですか? 魔法の指南書みたいなものです」 ミレナが言ったようにそれには、魔法の使い方や詠唱の詞などが書いてあった。 「へぇ、熱心なんだね」 「有り難うございます。でも、兄さんも十分熱心ですよ」 「ありがとう、ミレナ」 僕は嬉しくて笑顔で答えた。 「は、はい///」 ん? 顔が赤いな? そういや、キリアさんもそうだったなあ。風邪が流行ってるのかな? まあ、そんなことより── 「ミレナ? ベッドが一つしかないけど……」 「あ、はい。今日、先生に頼んだですけど、届くのは明日になるそうですから、今日はこれだけです」 そうなんだ。じゃあ僕はどうすればいいんだろ?
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