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「何してるんですか? 兄さん、寝ないんですか?」
「え! 一緒に寝るの!?」
当たり前と言ったら当たり前の反応をする。いや、人によっては違うかも。
「いや……ですか?」
「え?あ、嫌じゃないけど……」
うーん、そんな顔されたら断れないよ。何か前にもこんなことあったような。
「うん。分かったよ。僕は何処で寝ればいいの?」
「はい。では、私の左で」
素直にミレナの隣で寝て布団をかぶった。
うー、ミレナでもやっぱ緊張するよ。寝れるかな?
「お休みなさい……兄さん」
「うん。お休み、ミレナ」
そうして二人は互いの温もりを感じつつ、深い闇の中へと落ちていった。
何も見えない闇の中…一人の少女、キリアは苦しそうな顔で声を押し出すように呟いた。
「呪われた子、か……」
「アイツとは既に接触したのか?」
そんな中、また誰かの声が響く。その声に少女は何も答えはしなかった。
そして街は闇に落ちて、静かになった。まるで迫り来る影を隠すかのように。
それと同時にその中では多くの夢がつむがれる。それは、シオンたちも例外ではない。
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