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美姫「聖…お兄ちゃんの見送り。」
亜稀「あなたは結婚式の最中なのよ?早く戻るわよ。」
ママにひっぱられる。
美姫「ママッ…待って…」
「亜稀さん、離してあげてください。」
亜稀「え…?…翼君…。」
翼はあたしの腕とママの手を離す。
翼「俺は…真宮美姫との婚約を破棄します。」
亜稀「ど、どういうこと!?」
翼はあたしを見る。
翼「美姫には幸せになってほしい。約束…してくれる?」
あたしはうなずく。
なぜか涙が溢れてくる。
翼「泣かないで…?」
翼はあたしを優しく抱きしめる。
美姫「翼…」
翼「俺の最後のお願い…聞いてくれる?」
美姫「なあに…?」
翼「…笑って。」
美姫「え…?」
翼「笑って、美姫。」
翼の表情は…幸せそうな悲しそうな複雑な微笑みだった。
あたしは笑う。
翼「ありがとう…大好きだった…。」
翼はあたしを強く抱きしめ、声を押し殺して泣く。
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