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「十字ッ!!」
「……父さん、勝ち目が無いのはわかってるだろ……?」
国会議員と市役所公務員、どちらの権力が上か、火を見るより明らかだ。
「…聡明な息子さんですね」
俺は反吐が出そうになるのを堪え、目の前の蛙からスーツケースを受け取った。
「茜のために、ありがとうございます」
「当然の事です」
蛙とその取り巻きを作り笑顔で見送った後、俺は洗面所で吐きまくった。胃の物を全て出してしばらくして、やっと吐き気は収まった。
「……ハァハァ……ゲホッ……
茜……待っててくれよ。
……あの蛙共から、ちゃんと取り戻してやるから。絶対、全国優勝の栄光を……お前に捧げてやるから……」
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