屈服

4/4
前へ
/24ページ
次へ
「十字ッ!!」 「……父さん、勝ち目が無いのはわかってるだろ……?」 国会議員と市役所公務員、どちらの権力が上か、火を見るより明らかだ。 「…聡明な息子さんですね」 俺は反吐が出そうになるのを堪え、目の前の蛙からスーツケースを受け取った。 「茜のために、ありがとうございます」 「当然の事です」 蛙とその取り巻きを作り笑顔で見送った後、俺は洗面所で吐きまくった。胃の物を全て出してしばらくして、やっと吐き気は収まった。 「……ハァハァ……ゲホッ…… 茜……待っててくれよ。 ……あの蛙共から、ちゃんと取り戻してやるから。絶対、全国優勝の栄光を……お前に捧げてやるから……」
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加