閉ざす

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閉ざす

自分の髪で編んだ 首吊りの縄ゆらゆら。 時計の針が曲がり 見てみぬふりの決断。 生き続けることが出来るのなら、 いつ満たされるのだろう。 倒れた木が塞ぐ、歪んだ夜。 手垢のついたドアが愛しくて、 変わるはずのない笑顔を何度も思い出す。 傷付いた姿が哀れか? 隙をみて喰らうのか? お前の親も、伴侶も、 子も拭いきれない雨を浴び。 どんな言葉で埋めてくれる…… 美しい歌声に雑音を… 清らかな水に唾を… 傑作の絵画に傷を… 真に価値付けるなら何も言わず抱き締めて。
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