退院まで

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なのに私は、気まぐれで初めたニット帽の続きを編んでいた。 今思うと暑苦しい位の日だったのに…それでも編み始めると楽しくなり、不器用な私にしては完成に近付く迄がかなり早く、自分なりに満足していた。 のちに一日で無くされてしまう運命は、その時想像もつかなかった。 娘の運命が左右される手術の日がきた日、何処かに消えてしまうのだが。
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