必然的な出会い。

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20年前―…これは二人が初めて出会った時の話である。 「………」 心電図の音だけが静かに響く部屋。医療室でスパンダムは一つのベッドを見つめていた。視線の先には…深い傷を負った、小さく幼い少年が生と死の狭間をさ迷っていた。 6時間前――― エニエスロビーから少し離れた、ある島が海賊に攻められていると報告があった。いつもは長官である父が行くのだが、この日は上層部に呼ばれていたためスパンダムが渋々指揮をとった。 到着して目にした物ーその場にいた全員が自分の目を疑っただろう。血だらけで倒れている海賊達の骸。山積みにされたソレの中央には…わずかに動く影。 スパンダムは船から降りると、 「俺一人で行く。他の奴は生存者の確認だ。」 と言い残し影に近づいた。
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