必然的な出会い。

3/6
前へ
/284ページ
次へ
姿を確認しスパンダムは驚いた。其処にいたのは幼い少年だったのだから。しかし無傷では済まなかったらしい。上半身からは血がダラダラと流れ、下げられたままの腕からは鮮血が滴っていた。 スパンダムがその様子を見つめていると、少年がふと顔を上げ目が合った。大きく真っ直ぐな瞳は漆黒の髪と同じ深い深い闇の色―吸い込まれそうだ。 少年はスパンダムを海賊の生き残りだと思ったのだろう。ギリと歯を噛み締めるとみるみる内に姿を変えた。 (悪魔の実の能力者…か。しっかし、この人数を一人でとは…まぁ、犠牲は大きかったみてぇだが…) ちらりと視線を下ろす。既に息絶えた住民達が倒れているのが見えた。スパンダムは一息置くと少年に向かって叫んだ。
/284ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加