雨音と共に…

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まぁ今月は普通に貰えたからいいか。遅刻してクビにならないだけマシだ。 でもこんなことならあの時お釣り貰えば良かった。 とりあえず本屋を出ると外はオレンジ色に染まっていた。 「早く帰るか…今日は疲れた」 今日はホントに疲れた。大輔のオカルト話と途中で会った占い師… そうだ…占い…俺の服には水難の相が出てるって言ってたな。 まぁもうすぐ1日も終わるし結局何事も無く終わるんだろうな…そう考えていた。 街を行き交う人を見ているとどこか哀愁を感じてしまう。 俺も年を取ったのか。 そんなくだらない事を考えているとあと少しで家に着くとこまで来ていた。 俺はアパートに一人暮らしをしている。大学は実家からでも充分通えるが、若い間に一人暮らしをした方が自分の為になるからと親に進められたんだが…今考えると俺が家にいると邪魔だからそう言ったんだと思う。 そうじゃないと俺の部屋が決まった日に、家族総出で勝手に荷造りをする訳がない。 はははっ…笑えねー。 … ーウッ!ハッ!ジン!ジン!ジンギスカーン♪ いきなり俺の携帯が鳴った。この着うたはアイツだ…。
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