雨音と共に…

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「大輔からか…」 なぜジンギスカンかと言うとアイツがジンギスカンが好きだから。ただそれだけ。 「優斗!!!±¢£%#♀♂!!」 何だ今の呪文のような言葉は。かろうじて優斗と言う言葉は聞き取れたが最後の方がよく分からなかった。 「少し落ち着け。何があったんだ?」 「人形が無くなった!!!」 「どうせ落としたんだろ?」 「違うよさっきまでは有ったんだ。気付いたら無くなってた」 「だから落としたんだろ」 「俺に限って落とすわけがない!!」 「じゃあ人形が歩いてどこかに行ったって言うのかよ」 「そうかもしれない…」 おーい!そうかもしれないって何なんだよ。俺は比喩的表現で言ったつもりなのに。 「まぁいいや…内心信じてなかったし…安かったし」 あのメリーさん人形信じてなかったのかよ。しかも安かったってお前は値段基準か。 「優斗。お土産なにがいい?」 「なんでもいい」 「じゃあロープでいいな。じゃあな」 プープープー… 樹海だからロープか…もうどうでもいいや…。 ポツポツ… 頭に水滴が…雨か?? さっきまで晴れてたのに。まぁこの程度なら家に着くまで大丈夫だな…。 そう思ったのもつかの間ザーザー!! バケツをひっくり返したような雨が降り出した。 「まじかよ!ずぶ濡れになる!」 幸いなことに家まではあと少し。俺は走って帰る事にした。
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