雨音と共に…

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雨は一向に止む気配はなく、それどころかますます激しさを増している。 あの角を曲がれば家だ。俺は濡れて肌に纏わり付く衣服を無視し、家に向かった。 「よし!着いた!」 やはり外から見てもこのアパートのボロさが目立つ。築5年だがそれの五倍前から立っている様に感じる。 俺の部屋は二階の端から二番目の203号室だ。 階段を一段上がる度に、階段の鉄の音が響く。 錆びていて何時壊れてもおかしくない位だ。公園の滑り台を想像して欲しい。正にあれだ。 鍵をポケットから出すと小走りで部屋に向かった。 ガチャ… 「ただいまーって、誰もいないか…」 まぁ誰かいたら逆に怖いな。 外から見たらボロだが、中はそうでもない。 部屋は三つもあり、そして風呂もトイレもあって家賃は三万!! まぁ部屋が三つて言っても、六畳三畳三畳だが…。実質六畳しか居住スペースがない。 他にも安さの理由は色々あって、まぁ後々分かるはず。
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