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箸…箸っと。俺は台所の箸立から箸を一本取る。ただの箸。昔から俺が愛用しているただの赤い箸だ。
そしてまた座る。
さっそく!食べよう!俺は箸を上に掲げた。まずメインの肉は後だ。まずはエビ天を頂く。俺はエビ天を箸で掴む。そしてそれを口に…
プルルルル!!!
空気が読めない電話が鳴った。携帯にでは無く家の電話に。
多分、知り合いではない。
布団やら黒酢やらのセールスだ。
俺は出る気は無かったが鳴り止まない電話に腹が立ち、エビ天と箸を置いた。
ガシャ…
「はいもしもし。神野ですが?」
「………」
なにも喋らない。イタズラ電話か?
「もしもし?おーい?」
「あっあの…」
かすれて消えそうな声だ。
「何の用ですか?」
「えっと…私…」
プープープー
えっ!?切れた。何だったんだ今の電話?今の人、用件話して無くないか。
まぁいいや。今は弁当を食べなければ。
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