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俺は血だらけの女を見ていた。
もちろん疚しい気持ちはない。
ただ何となく気になったからだ。
すると一瞬血だらけの女がコッチを見て笑った…途端に俺は慌てて目を伏せた。
「でさ、話の続きなんだけど…」
「あぁ、そうだったな」
俺は伏せた目を大輔にやった。
「あのさ…あの人形預かってくれないかな?」
はぁ!?俺にあの人形を預ける?絶対お断りだ!
俺はオカルトは大嫌いだった。本物の幽霊は怖くない。いや…全く怖くない訳ではない。
でも作り物の幽霊は全く駄目だった。まずテレビでホラー映画の予告でも流れた瞬間、俺はチャンネルを変える。
ましてやお化け屋敷なんかは入口から無理だった。
なぜ本物が怖くないかと言うと、見慣れたのと、生きてる人間とあまり変わらないからだ。
事故で死んだのは確かに血だらけが多い。でも普通に死んだ人間は、普通のままだからだ。
昔、気付かずに幽霊と遊んだ事もあった。
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