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椿は、一瞬大きく目を見開いたかと思うと、直ぐに俺から目をそらした。
俺は、俺自身がいった言葉に内心ビックリしながらも、その発した言葉に妙に納得した。
沈黙を破ったのは、椿だった。
「知らないくせに。」
「え?」
「何も知らないくせに、そんな簡単に言うなよ!!!」
「・・・じゃあ、椿。何も知らないって言うなら、知ってほしいって思ってること俺に教えろよ。」
「教えたらせおってくれるわけ?」
「・・・?」
「あたしの代わりに耐えて、背負ってくれるわけ!!!」
バタン。
すごい、勢いで走って出て行った椿を追いかけることもできず、俺は呆然としていた。
『椿が背負っているもの。』
半年も一緒にいるのに考えたこともなかった。
そんな自分に少しだけ嫌気が差したんだ。
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