縛りつける思い

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「中学生最後の展覧会に出品した絵が入賞して1日だけ飾られることになったの。でも、その日は兄の大学受験の日とかぶっててね、誰も見に来てくれないって思ってた。」 「でもね、兄は絶対に行くって約束してくれたの。あたしの絵が見たいから絶対に行くって。」 「私は待ってたの。ずっと。でも兄は来なかった。期待してた分、余計悔しくてね。少し怒ってたの。そのとき、係員の人があたしに寄ってきて一言いったのよ。」 「なんて?」 「兄が死んだって。」 「!!」
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