一緒に歩こう

5/5
前へ
/42ページ
次へ
「そんなことがアタシに許されるの・・?」 「ああ。」 「素敵な人に巡り合えて。大好きな絵も描くなんて。そんな幸せアタシにもらう権利があるの?」 「それは、お兄さんの夢の1つじゃないの?」 「夢?」 「輸入会社の社長になることも、もちろん彼の夢だろうけど、妹が好きなことして幸せになることも夢だったと思うよ。」 不安げに俺を見上げる椿に俺はゆっくりうなずいた。 確かにお兄さんには会ったことはないけど、自分で発した言葉にはなんだか自信があった。 俺に椿が必要なように、椿にも俺が必要だということがお兄さんには分かったから。 だから巡り合わせた。 なんだか、そんな風に思えてならなかったんだ。 「うん。描く。」 「描きな。」 「うん。」
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加