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「そんなことがアタシに許されるの・・?」
「ああ。」
「素敵な人に巡り合えて。大好きな絵も描くなんて。そんな幸せアタシにもらう権利があるの?」
「それは、お兄さんの夢の1つじゃないの?」
「夢?」
「輸入会社の社長になることも、もちろん彼の夢だろうけど、妹が好きなことして幸せになることも夢だったと思うよ。」
不安げに俺を見上げる椿に俺はゆっくりうなずいた。
確かにお兄さんには会ったことはないけど、自分で発した言葉にはなんだか自信があった。
俺に椿が必要なように、椿にも俺が必要だということがお兄さんには分かったから。
だから巡り合わせた。
なんだか、そんな風に思えてならなかったんだ。
「うん。描く。」
「描きな。」
「うん。」
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