新しい道の始まり

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あれから少し時間はたって。 公開告白した俺らの噂も少しずつ下火になって。 俺らは、何ら変わりのない生活を送っていた。 あの日、絵を描くと言っていた椿は、未だにお兄さんの変わりに輸入会社を継ぐために大量の習い事や勉強を抱えていた。 でも、それは嫌々ではない。 自分が自分らしくあるために、お兄さんの夢を叶えることにしたらしい。 「椿らしい・・か。」 「冬夜?待った?」 「待った。」 「怒ってる?」 「怒ってないけど、さみーよ。早く、入ろうぜ。」 「待って!緊張する。」 今、俺らがいるのはとある展覧会の会場。 椿は、忙しい中絵を描いていた。 絵を描く時間が俺と一緒にいる時間っていうのは少し納得いかないけど。 そんな忙しい中で描いた絵が入賞して飾られているということで見に来たのだ。
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