ふたりのはじまり

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朝国 椿。 隣のクラスの女子。 俺が知ってるのはそれだけ。 俺らは、家族でも友達でもない。まして、恋人じゃない。だからって他人じゃない。 俺たちはこの半年、月曜と木曜だけ、この古い図書館の一室で、ただ肩を並べて他愛のない話をしていただけなんだ。 「今日、サッカーして来なかったの?」 「うん。そうゆう気分じゃなかったから。」 「そう。」 「何読んでるの?」 「分かんない。フランス語だし。手近にあったから。」 「分からず見てたのか?」 「うん。ダメ?」 「ダメじゃないけど・・・それっておもしろいか。」 「おもしろくは・・・ないね。」 「なんだそりゃ。」 「意味なんてないんだよ。」 「そっ。」 椿の隣に腰をおろす。 俺たちの目線には、大量の机が見えるだけ。
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