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「……本当か?」
確認を入れるように芹沢は三人組を見る
三人は勢いよく頷く
「ふん…お前、名は?」
いつもなら、『貴様に名乗る名など持ち合わせていない』と答えただろう
しかし、今は違う
奈津は素直に…挑戦的な笑みを浮かべて言った
『如月奈津だ』
賭は奈津の負けだった
しかし、奈津は名前を教えただけでなく、壬生狼士組にまで入隊することとなった
「お前の腕がどれほどのものか…見せてもらうかの」
そう言って意地の悪い笑みを浮かべる
その場にいる土方、原田、永倉、藤堂は嫌な予感しかしなかった
四人が顔を青くしている横で当の本人である奈津は何食わぬ顔をしていたわけではあるが…
「そいつを頓所に連れて行け」
芹沢は、そう言い捨て去っていった
不幸中の幸いかどうかは分からないが、この場での被害はもう出ないようだ
「…行ったな。残った者は消火及び事後処理に回れ!」
芹沢が去ったのを見ると、瞬時に土方は適切な指示を出していく
しかし、先程の三人と奈津は動かずに
「土方さ………
バチンッ
「土方さん?!」
嫌な空気が漂う中、永倉が土方に声をかけようとしたが、それはある音に遮られた
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