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土方が奈津の頬を叩いたのだ
殴らなかっただけ、まだよかったのかもしれないが…
「お前、自分が何をしたか分かってんのか?!」
奈津は自分が怒鳴られていることを分かっているのか、いないのか…
打たれた頬に手を添えて黙っていた
「聞いてんのか!!」
「土方さんっ」
土方が奈津の胸倉を掴んだ
流石にまずいと感じたのか、残りの三人が止めに入る
『くく……』
「何がおかしい」
『おかしくないわけがない』
頬に添えた手を下ろし、不敵な笑みを土方に向けた
土方はその瞳に一瞬魅入ってしまうも、すぐに奈津を睨み返した
『鬼だと恐れられる貴様らが、たかだか一人の餓鬼に何を心配する?』
「なっ…」
『私は自分の力量くらい弁えている』
笑みを浮かべていた顔は、すぐに真面目な表情になった
その真っ直ぐな瞳に四人は黙った
『あんな輩には負けぬ自信はある』
「確かにお前の腕は認めるけどよ」
『あの時程度の力を言っているのか?』
「え…」
『あんな輩どもに私の力を見せたと思うのか?』
心外だとでもいうような表情の奈津
あの場に居合わせた三人も戸惑いの表情を浮かべる
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