594人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
「このっ…」
「まぁまぁ、土方さん。まだ餓鬼には難しいって」
永倉に餓鬼だからという理由にされたことに、奈津は不機嫌になりながらも何も言わなかった
これ以上このことで争っても意味がないと思ったのだろう
「で…この人は土方歳三さん」
「俺らはいいとしても、この人にはちゃんとした態度にしろよ~」
「凄い人なんだからな!」
まるで自分のことのように自慢する原田と藤堂
それでも、奈津は態度を正すつもりは毛頭ないのだが
『ふん』
「………っ」
「土方さん!おさえて!!」
「~っ…お前らがまいた種だ。お前らが責任持て」
そう言って、土方は事後処理の指示へと向かった
奈津以外の三人はその姿を見送った後、同時にため息をついて奈津に向き直った
「お前は心臓に悪い」
「頼むから…」
『尊敬してもない相手を敬えなどは、聞けぬ話だ』
「それが大人ってもんだ」
『童子のままでいい』
「はぁ~…俺らは組織だ。上下関係が大事なんだよ」
『知らん』
これには頭を抱えるばかりだ
原田なんて短気のせいで青筋が出来ている
爆発寸前なのだろう
「と…とりあえず、頓所に連れて行こうぜ」
最初のコメントを投稿しよう!