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「ここが頓所だ」
ここが鬼と呼ばれる壬生狼の頓所
奈津は無表情に見上げていた
「とりあえず、部屋は…」
「お前達!」
門をくぐってすぐに聞こえてきた声
その方向に目をやると、体格のいい男がいた
「近藤さん?!」
「さっき芹沢さんが帰ってきたのだが…」
「あー…この人は近藤さん。三人の局長の一人」
永倉と原田が近藤に説明している間に、藤堂が奈津へ簡単な紹介をする
局長と聞いても、ぴんと来ない奈津は聞き流していたが
「なっ…だからあんなことを言ったのか」
「何かあったんすか?」
「いや、総司と酒を飲んでいたら…」
「……嫌な予感がする」
近藤の顔色を見ても、いい情報とは思えない
永倉も今の話の流れでその名前…だいたいの予想はできたようだ
「突然芹沢さんが入ってきて…総司に“明日戦わせたい輩がいる”と言ってまたどこかにいったんだ」
「もしかしなくても、もしかしてですよね~」
「えっ、何々?」
「は?」
原田と藤堂は分からないようで首を傾げる
奈津は…特に興味もなさそうだ
「だからなっ」
『その者と私が明日戦うんじゃないのか?』
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