面影

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「「「……」」」 『どうした?』 「いやっ、何でもねぇ!」 『?』 正直、三人は子供に見惚れてしまった 茶髪の青年だけが、子供の問い掛けに反応でき、他二人はまだぼけっとしたままだ 『まぁ、いい。私はこれから行かねばならない所があるのだが…』 「お、おぅ」 「「……」」 『それでは』 「またな」 『…また、と返すべきか?』 「返しとけ」 『あぁ、また』 違う世界を散歩中の二人を置いて、子供は雑踏の中へと消えていった 「もう行っちまったぞ」 「「はっ」」 やっと二人は現実に帰ってきたようだ 茶髪の青年は呆れたように二人を見遣る 「新八っつぁんずるい~!」 「そうだぜ」 「お前らが、ぶっ飛んでんのが悪い」 確かにそうだから、何とも言えない しかし、そうでなくても二人より茶髪の青年の方が子供と話せたことは確かだ 「お前らよりあの子が大人なだけだ」 「何だよ、それ?!」 手ぬぐいの青年はそれに食ってかかったが、猫っ毛の少年は何か考えているようだ 「あのさ、あいつって男?」 「男だろ。あの剣捌きだぜ」 「新八っつぁんはどう思う?」 「さぁな」
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