始まりの日。

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午後の暖かい日差しの中、私は家の前で一人土遊びをしていた。ゼリーのカップに土を積めて何となく積み重ねながら、横にいる赤い液体をだらだらと流す女の人を見ていた。小さい頃から幽霊は見えていたものの、生きている人との区別がつかずあまり気にも止めていなかった。だから、後ろに居た男の子にも気がつかなかったんだと思う。「一緒に遊ぼ?」話しかけられた。振り返ると、細身の色の白い男の子が立っていた。(観たこと無い子だな~。)誰?「たくみって言うの」ふ~ん。なにして遊ぶの?「あのね。土遊びしよ?」うん。いいよ。 2人で暗くなるまで遊んだ。これが初めて会った日だった。
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