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明智光秀
私の好きな、明智光秀について書くことにする。
武士にとっては、うそを付くのは最大級の恥の一つであった。
伊勢宗瑞(北条早雲)が制定した『早雲寺殿二十一箇条』にも、『上下万民に対し一言半句にてもそら言申すべからず…』(いかなる身分の万民に対しても嘘を申し上げることはあってはならない)とある。
しかし、戦国時代はその実、嘘の駆け引きのようなものであった。昨日の友は今日の敵と言うようなことは多々あったのである。早雲らが、嘘を付くのは恥である、と言っていた時代からそうではない考えかたも現れてきた。
ある書物のなかで光秀が『武士の嘘を方便と云ひ、武士の嘘を武略と云ふ…』と言っていたと言う一節があり、光秀は既に、武士の嘘を武略として肯定していたようである。
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