My essay

席替え

中２の二学期のことだったろうか｡記憶は定かでない｡友人から聞いた話である｡
私のクラスでは、席替えは班長が会議によって一人一人の席の位置が決められていくものだった｡
私は女子からすこぶる嫌われていた｡生理的に嫌われるたちなのだろう｡そのため、私の席はできる限り、女子に少数の‘被害者’しかでないような位置を移動するばかりであった｡ようするに、俺の席はクラスの端の方ばかりであった｡
ある、席替えの時、どうしてもひとりの‘被害者’を出すしかない状況であったという｡そして、ある女子が被害者に内定した｡
その女子はなんと大泣きした｡当時私が興味を持っていた女子から‘私が変わってあげようか?’と提案されたという｡しかし、被害者内定の女子は、友人に被害を押し付けることは出来ないと言って断ったという｡
私自身、女子から嫌われていることぐらいは感づいていたが、席替えで泣かれるというのは初めてであった｡
これが私にわかるのは、発生から一週間以上あとのことになるが、凄まじき空虚感に襲われ、隣になった被害者を全く見れなくなったことを覚えている｡