犬に産まれた僕。

7/49
前へ
/49ページ
次へ
      近くにね、大きな原っぱがある。      僕はずっとその場所を どれだけ歩いても、端から端には辿り着けない気がしてた。        その横には水が流れていて、 音がすごく綺麗だった。        僕達はお昼になると、毎日その場所で遊んだ。        追い駆けっこをしても 僕はいつも1番遅かったの。      さすがお兄ちゃんとお姉ちゃん。  僕よりもどんどん前に行っちゃう。      そんな後ろを僕は毎日 いつか追い越す日を夢見ながら追っかけてた。      ママはいつも僕たちを見ていた。    水の音と風の音…    風に吹かれて聞こえてくる木々の音色。      何十にも重なった音を聞きながら、ママはいつも僕たちを見ていた。  
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

631人が本棚に入れています
本棚に追加