第1章 罠

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どれくらい走ったんだろ… あたしはステレオから流れる音楽に聴き入っていた。 初めて聴く曲だけど、 嫌いじゃない。 意外と音楽の趣味合うかもなって考えながら、 ぼんやり窓の外を眺める。 東京にこんな場所あったっけ…? 夜中でも人が多いネオン街から出てきたのに、 不気味なまでにのどかだ。 こんな場所通らなくても寮に帰れるんじゃないの? 土地勘のないあたしでも、 これぐらいわかる。 なんか嫌な予感がする。 街灯の少ない細い道を走る車。 不安に駆られたあたしは ポケットから携帯を取り出した。
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